提出したレポート
私の仕事は、東洋医学の鍼灸師として患者の治療にあたることです。現在、不妊の方への治療に力を注いでいます。初診時においては、2時間以上の時間をかけています。そのうちの1時間はじっくり話を聞きます。そうすると誰もがほんとうに、まるで堰が切れたかのように自分のことを語りはじめます。
それは将来を誓い合った結婚からはじまります。ある人は結婚と同時に仕事をやめ、妊娠を待ちます。またある人は仕事を続けながら妊娠を待ちます。しかし何年待ってもなかなか妊娠しません。友人たちは次々と妊娠します。なぜ自分は妊娠できないのかと悩む毎日です。まわりから取り残される不安感や年齢の焦りばかりが大きくなってゆきます。
そして、ついに不妊治療へ踏み出します。ここまで仕事を続けてきた方も、やむなく退職する場合もあります。しかし結果は出ません。病院で受けた心の傷に涙を流す方も少なくありません。義母や親戚からは会うごとに子どもを期待されてしまいます。大きな重圧を一人で背負っています。頼りの夫は、毎日深夜の帰宅。夫は疲れきっています。悩みは誰にも打ち明けられません。
心の奥深くに沈んでいた重いものを、私に向かって、一気に吐き出してくれます。
また病院のことも率直に語ってくれます。何時間も待たされ、医師とはわずか2、3分。医師が一方的にしゃべって終わり、ということもあるようです。質問もつい遠慮してしまうそうです。だから治療の流れを十分把握していない方も少なくありません。まずは検査だけのはずが、いきなり排卵誘発剤を処方され戸惑ってしまうこともあるようです。一方で、自分は積極的な治療を望んでいるにもかかわらず、医師はそれに応じてくれない、と訴える方もいます。このように患者と医師間の溝は、まだまだ依然と深いようです。
そんな中、鍼灸師による不妊カウンセラーの役目は三つあると考えます。
一つは不妊治療に関係する正確な情報をわかりやすく伝え、情報不足を補ってあげることです。私の院のホームページを通し全国の方にも発信したいと思います。
二つ目は病院情報を公平に伝え、病院選びの判断に活用してもらうことです。私は、実際に病院で不妊治療を受けている方から、生の声を聞かせてもらっています。その声をフィードバックしたいと思います。
三つ目は心の支えになってあげることです。不妊の方にやさしく寄り添い、心の痛みを受け止め、その方の歩みを見守り続けてあげたいと思います。
私がおこなっている鍼灸治療では、不妊の方と向き合う時間が毎回たっぷりあります。傾聴を柱にすえ、ときには背中を押してあげ、一人でも多くの方に赤ちゃんが来てくれるように、これからも応援してゆきたいと思っています。
(2006年11月 記)


不妊カウンセラーとして今後どのように活動するか
不妊カウンセラー認定試験の受験申請者には、事前の書類審査としてレポート提出の課題が与えられます。
わたしは次のようなレポートを提出しました。
課題は、「不妊カウンセラーとして今後どのように活動するか」です。
 |
日本不妊カウンセリング学会からいただいた認定書
|