■漢方薬と鍼灸は、同じ東洋医学ですか?
このふたつはルーツが同じです。
漢方薬や鍼灸は中国古来の伝統医学で、ともに共通の考え方をもつ東洋医学です。
ちょっと難しい話になりますが、東洋医学の考え方は自然と人との調和が基本。天候や時間など自然界の調和を考えた「陰陽論」、自然の永遠の流転を表した「五行論」、という二つの基本理論が有名です。
■気(き)・血(けつ)・水(すい)とは何ですか?
ひとの体を構成しているもので、東洋医学独特の考え方です。
気 ひとの体内を流れるエネルギー
血 血液のこと
水 尿・汗など、体内の水分
■漢方薬ではよく「証」という言葉を耳にしますが、鍼灸にもあるのですか?
もちろん鍼灸でも「証」を用います。
西洋医学(現代医学)では臓器・器官ごとに病名をつけますが、東洋医学には心と体、人全体の状態を表すものとして証があります。証を決めるために問診のほか、脈の強弱・舌の色・お腹の状態なども調べる脈診・舌診(ぜっしん)・腹診という診察をおこないます。さらに体質、性格なども大切な診察材料となります。
これが東洋医学の人全体を見るという特徴のゆえんです。
■証はどのように治療に生かされているのですか?
鍼灸では、この証をもとに治療方針を決め、はりを刺すツボやお灸するツボを選びます。
ツボは300以上あるのですが、ひとつひとつ効能が違います。証に適したツボを治療に使うわけです。
漢方薬も同様に、証をもとに漢方薬を選びます。実は薬膳にも同じ考えがあって、証をもとに食材を選んでいるのです。つまり東洋医学は証を決めるまでの過程は共通で、治療手段が鍼灸、漢方薬、薬膳と枝分かれします。
■鍼灸治療に向くものは?
自覚症状はあるけど、病院の検査では異常がなく困っている場合は、鍼灸治療が向いています。
たとえば、自律神経失調症、更年期障害、冷え、月経障害、不妊症、下痢、便秘、疲労感や胃腸虚弱などと、守備範囲はとても広いです。原因の特定できない慢性病、不定愁訴、ストレスや体質が関係した症状にも鍼灸が向いています。実はこれらの症状は漢方薬が得意とするものばかりです。つまり、漢方薬が適用となる症状は鍼灸でも治療できると考えてよいと思います。
ただし、症状の原因となる大きな病気を見逃してはなりません。まず病院での検査、診断を受けた上で鍼灸の治療を受けることが基本です。
■鍼灸治療に向かない病気は?
手術を必要とする病気、感染症などには鍼灸は向きません。
■WHO(世界保健機構)でも鍼灸の有効性が認められていると聞きましたが?
現代の鍼灸は日本、中国のほかに、アメリカ、ヨーロッパでも広く治療に取り入れられており、WHOではほとんどの疾患に対し鍼灸の有効性を認めています。日本鍼灸師会のホームページに詳しく説明されていますので、一度ごらんください。
東洋医学の豆知識
東洋医学で使われる用語、考え方など、なじみが薄いのでちょっと分かりにくいですね、本当に。
でもご安心を。選びに選んだ基本的なことを、簡潔に説明いたします。
ここを読めば、今日からあなたも東洋医学通です!