冷えはこんなふうに生じる

■体を温める熱はどこからどうやって来るの?
体を温める熱の産生は内臓と筋肉でおこなわれます。
食事により食べ物の栄養分が消化吸収され、肝臓で代謝されてエネルギーとなり熱が産まれます。
また体を動かす際には、筋肉がエネルギーを消費しますが、このときも熱が産まれます。
食事と運動により、内臓と筋肉で産まれた熱を、次は体中に運ばなくてはなりません。その運搬船の役目は血液なのです。
ですから、体を温める基本は、「食事を美味しく食べる」、「体を動かす」、「血液の流れを良くする」、という3つがポイントになります。

■知らず知らずのうちに・・・
だから、胃腸があまり丈夫でない、悩みや心配ごとがあり食欲がわかない、とか。
飲食物は、やたらスナック、お菓子類が多かったり、甘い清涼水を好んで飲む、とか。
普段からあまり運動をしない、買い物に車を利用しがち、駅やデパート、会社ではついエレベータやエスカレータに乗ってしまう、など。
こんな体調や習慣をお持ちの人は、知らず知らずのうちに、冷えがたまってゆきます。

熱の運搬ルート、血管
血管は血液の通り道で、熱を運ぶ大切な運搬ルートです。ところが、ここを通る血液の量は一日をとおして一定ではないのです。理由は、血管が細くなったり太くなったり変化しているからです。
血管は、交感神経と副交感神経から成る自律神経に支配されています。仕事や生活で緊張や興奮が高まると、交感神経が亢進し血管を細くします。反対に、リラックスし緊張や興奮がゆるむと交感神経の亢進もゆるみ(一方の副交感神経は亢進状態)、血管をもとの太さにもどします。
ストレスは自律神経に影響を与え、血管にも作用をおよぼします。それは熱の運搬ルートである血管が細くなり、熱を運ぶ血液の量が減ってしまうことです。結果、冷えが生じます。


                   
こんなに違う、西と東

■西洋医学

「冷え」に対する西洋医学の考え方、東洋医学の考え方、ふたつは大きく違います。
西洋医学では、抹消血管が収縮し血流が悪くなるため、と考えられています。しかし、「冷え」という病名は残念ながらありません。したがって、積極的な治療はあまり行われていないのが現状のようです。

■東洋医学
一方、東洋医学では、「冷え」の症状をとても重要視します。冷えは、体のバランスのくずれをあらわしているサイン、と考えているからです。
ところで、この『体のバランス』とは、何のことでしょう。西洋医学的にいえば、自律神経、ホルモン、血液、リンパ液となりそうです。さて、東洋医学では、「気」、「血」、「水」です。体を構成しているこれらの3つを指しています。
したがって冷え性の治療は、「気」「血」「水」を整え、巡りをよくすることに重点を置きます。


           ほかの症状も作ってしまう「冷え」

冷えは、ひとりひとり違う
冷え性を訴える女性はとても多いですが、冷える部位は手、足、首、肩、背中、腰、お腹、大腿部と、人によりさまざまです。若い年代では手足の末端部に冷えが出やすく、年齢を重ねるにつれ、冷えはお腹や腰など体の中心部に移ってゆきます。
20、30歳代でお腹、腰、臀部の冷たい人は、冷えが進んでいることが考えられますので、日頃の生活習慣を見直してください。

■冷え+○○○
冷えはまた、いろいろな症状を複合しやすい特徴があります。
とくに婦人科系の生理痛、月経不順、不妊などの症状の多くは、冷えを伴っていることが考えられます。 のぼせ、ほてり、汗をかきやすい、汗が出ない、これらの症状にも冷えの存在があります。
肩こり、頭痛、腰痛などの症状も、実は冷えが原因であることも少なくありません。


         東洋医学では「冷え」をキメ細かく分析

■体つきで分ける証から見た冷え

体の主な特徴
肩こり 冷え
実証タイプ がっちり、浅黒い、元気がある    皮膚の表面全体がパンパンに張っている かくれ冷え性
虚証タイプ きゃしゃ、色白、疲れやすい  皮膚の表面は柔らかいが、押すとコリコリがある 冷えを
自覚しやすい
(用語の説明)
実証:体力があり、病気に対する抵抗力が強い
虚証:体力がなく、病気に対する抵抗力が弱い

■気血水の乱れによる冷えのタイプ
冷えのタイプ ほかの主な症状 主な原因
気の乱れ 気滞 イライラ、怒りっぽい 精神的ストレス
血の乱れ 血虚 貧血、不安 ホルモン不調
お血 子宮筋腫、子宮内膜症  過労
水の乱れ 水毒 むくみ  甘いもの、水分のとりすぎ
(用語の説明)
 気滞:エネルギーの元である気の巡りが渋滞している状態。
 血虚:体のすみずみに栄養を与える血が不足したり、働きが低下している状態。
 お血:血の巡りが悪くなり渋滞している状態。
 水毒:水分代謝が悪くなり、体内の水分が過剰な状態。

この気血水の乱れは、どれか1つが単独で発生しているだけに限らず、2つ以上が複合している場合も少なくありません。

■気血水をめぐらす原動力は「腎」
ひとの健康な状態とは、気血水が体中を滞りなく順調に巡っていることです。しかし気血水は、自分自身では動けません。誰かの力を必要とします。その力を与えてくれるものが「腎」で、気血水が巡る原動力となるエンジンに相当します。この「腎」こそ、東洋医学の考えによる熱源なのです。
ときに、「腎」が不調の場合もあります。そんなときは、いくら気血水を巡らそうと治療をがんばっても体は温まりません。この根本原因を「陽虚」と呼んでいます。

冷えの根本原因 状態
陽虚 体を温める元となる熱源の機能が低下している状態


              自分でもできる冷え改善

■冷え改善の知恵

洋服 寒さは首から入ってきます。外はもとより家の中でもマフラーなどを首にまきましょう。これだけでも温かさはずいぶん違います。
保温力を高めるには空気の層が必要。体ピッタシの服より、ゆったりめの着こなしをおすすめ。
運動 日常の買い物にはなるべく歩いて行きましょう。駅、デパート、会社では階段を利用し、体を動かすように心がけましょう。
入浴 ・半身浴(温度40〜42℃)
お湯の量はみぞおちから胸ぐらいまで。15分以上ゆっくりつかります。目安は汗がじんわり出るまで。肩が寒い場合には、タオルなどをかけてください。
・足湯(温度42℃)
洗面器などにお湯を入れ、足を入れて温めます。血行が良くなり体があたたまります。お湯は適宜追加し、温度が下がらないように。
マッサージ 大腿部が冷える人は、足の付け根を手のひらで左右に30回マッサージ。付け根から膝の間は上下に30回マッサージ。血行が良くなります。
お灸 お灸をすることで血行が良くなります。
また、体全体の体力アップも期待できます。家庭では、市販品の『せんねん灸』が手軽に使えます。
せんねん灸のホームページには、お灸をすえるツボの場所などが詳しく説明されていますので、ぜひご覧ください。
飲み物 紅茶、ほうじ茶は体を温めます。コーヒーや緑茶は体を冷やしますので、量を控えたほうがよいでしょう。牛乳はレンジなどで温めてから。
食べ物 旬の食材をベースにし、野菜は温め、根菜を中心に。
野菜サラダや刺身などの生ものは体を冷やしますのでご注意を。
生姜、ネギは体を温める力が強いのでおすすめです。
冬に冷たいフルーツ、アイスクリームは禁物。ヨーグルトは常温にしてからのほうが体を冷やしません。
アーモンド、落花生は血行をよくするビタミンEが豊富。ときどきいただくと良いでしょう。


                   治療プログラム

のざき鍼灸院では多彩なバリエーションを用意し、キメ細かな治療を提供しております。

■治療パターン
** 体の状態に合わせた治療をおこないます **
冷えのタイプ 陽虚に対する共通治療 タイプ別治療
気の乱れ お腹、腰のツボに鍼灸し、体を温める熱源の機能向上をはかります 「気」に作用する手足のツボに鍼し、気の巡りをはかります
血の乱れ 「血」に作用する背中、手足のツボに鍼し、血の巡りをはかります
水の乱れ 「水」に作用するお腹、足のツボに鍼し、水の巡りをはかります
複合した症状の場合は、複数の治療パターンを採用します。

■治療コース

** ご要望に合わせた治療コースを選べます **
本気に治療コース じっくり腰をすえ、本気に治療していただくコースです。
冷え以外の症状もあれば、もちろん併用治療します。
2〜3回/月
の治療
ときどきコース う〜ん、もうガマンできない、という日にときどき利用してください。 希望日に治療
その他の治療コースもご相談ください。

「あたためパワー」をアップ!

成人女性の2人に1人は冷え性だといわれています。
はじめは手足の冷え。ほうっておくとお腹、腰へと進み、婦人科系のトラブルも。早めに「あたためパワー」のアップを。

のざき鍼灸院は、冷え性でお悩みの人を心より温めます。
ご相談は、お気軽にこちらまで