2005年
99号 12月31日(土)
不気味なくらいに
春、患者さんに初めてお会いした。
病院での治療をやめたことや、生理周期が遅くなってしまったことなどを語られた。
その日はちょうど生理1日目、周期は39日という。次の生理でも、周期はやはり40日だった。
そして、その次、32日となった。前年の秋以来、もとの周期に戻った。
今は31〜32日ですっかり安定している。女性ホルモンのバランスはきちんと整ったようだ。
患者さんは最近、ピップエレキバン風の円皮鍼(えんぴしん)を三陰交に試してみた。
結果は「生理痛がなかったんですよ。不気味なくらいに」と、その効果にびっくり。
鍼灸は、いつも「楽しみです〜」。
98号 12月26日(月)
Tさんだったんですか〜!
患者さんは先日、夜中に猛烈な歯痛に苦しみ、救急の歯科医院に駆け込んだという。治療は年末まで続きそうだ。
私は、子宝草の里親探しの縁で、患者さんとメールのやりとりする仲になっているTさんの体験談を思い出した。
「Tさんは親不知を抜歯した後、もぐさカイロを頬に当てていたら痛みが出なかったそうですよ」
「あ、それ読んだことあります」と、とっさに返事。週間ひとこと39号のことだ。「Tさんだったんですか〜!」。
続いて、次の患者さんが大きなマスク姿でいらしゃった。
きのう親不知を抜いたとか。歯を3分割して抜くほどの難治療だったらしい。痛みはまだ残っており腫れもある。マスクはそのためだった。
足三里と手の合谷は歯痛にも効く。そこにハリを2本追加。「なんか、腫れがひいたような気がします」
家で即席のもぐさカイロをしてもらおうと、もぐさを一山おわけした。
患者さんはもぐさを右の頬にやさしく当て、柔らかい感触に微笑まれている。
そして・・・1時間後ぐらいだろうか、こんどは別の患者さんからメールが到着。
タイトルは、『もぐさカイロとカイロベルト完成しました〜』。もぐさカイロの一日だった。
97号 12月18日(日)
じゃあ、ラッキーだったんですね♪
きょうも寒い日だ。患者さんの足先はすっかり冷えている。
治療は赤外線ランプで足を温めながらだ。「体が温まって軽くなりました〜」
領収書はいつも手書き。なぜか金額を誤って4万5千円と記入してしまった。患者さん、「気持ちはあるのですが・・・」と素敵な笑顔はやさしい。
靴を履きながら、「掲示板見て電話したんですが、ダメかなって思ったんですけど」
予約の電話はきのう。掲示板は『いっぱい』表示だったが、ちょうどキャンセルの出た直後だった。
「じゃあ、ラッキーだったんですね♪」と喜んでもらえ、わたしの心もいっそう温まった。
96号 12月11日(日)
ぬくもります!
逆子の方に治療をおこなった。翌日からは家でお灸をすえてもらう。
お灸は子どものとき、おばあちゃんにしてあげたと話される。そして今度は、生まれてくる赤ちゃんのためにお灸だ。
もぐさのひねり方やお灸の仕方を説明する。患者さんは一つ一つていねいに、「はい!わかりました〜」と答えてくれる。
9年目にやっと授かった赤ちゃんはいま、お腹の中で暖かな愛情に包まれている。
「2週間後に里帰りするんです」
今年も福の湯のシーズンとなった。この生薬100パーセントの入浴剤をプレゼント。
福の湯を手にし、「ぬくもります!」と笑顔で帰宅された。(写真 のざき鍼灸院 12月7日)
95号 12月4日(日)
先生のホームページ好きで、よく見ているんですよ
せんねん灸は簡単なので自宅用にすすめてきた。しかし水ぶくれになりやすい。
患者さんの三陰交にも、やはり水ぶくれのアトがある。お灸は治療用のカマヤミニに変更してもらおう。
ところで、ご主人はお灸をがんとして受け付けないそうだ。今度、「無理やりやってみようと思います」と笑う。
ご主人の背中がカマヤミニで温められる日はそう遠くないかもしれない。
そして、次回の予約。「土曜日の3時15分は空いていますか?」、と患者さん。
「今日、会社で見てきたんです」掲示板の予約状況を確認されてきたそうだ。
「先生のホームページ好きで、よく見ているんですよ。今週のひとこと、あ、変わったなって」
94号 11月27日(日)
ここに来れば寝れるから
患者さんとは3週間ぶり。ほっぺたがずいぶん丸くなっている。
その理由は秋田の乳頭温泉への夫婦旅行にあった。
「そこは携帯が通じないんです」というほどの山奥。茅葺き屋根の古い宿にはTVもない。ひなびた温泉にのんびり。肌はつるつる。山のおいしい料理でお腹はいっぱい。「楽しかったです〜」
湯沢には木村酒造を訪れ、蔵の見学。角館では桜の皮で作られた茶筒を購入。秋田味噌も買われた。名産の稲庭うどんもあった。「秋田は興味がつきないです・・・」と、患者さんはいつのまにか眠りに。
今週は仕事も忙しく寝不足気味の日々。今日はがんばって朝早く起きたとか。
「ここに来れば寝れるから」、と。
93号 11月20日(日)
たくさんお話が出来て本当に良かったです
治療日の晩にメールをいただいた。『たくさんお話が出来て本当に良かったです』
周囲の人は妊娠するのに、なぜ自分は・・・。患者さんは答えを探されていた。
この間、支えてくれたのは家族や友人。ご主人はいっしょに江ノ島の海を眺めてくれた。
都内に住むお友達は鎌倉まで来てくれた。円覚寺をめぐり、八幡宮前の老舗の蕎麦屋でランチ。美味しい味に大変喜んでくれたそうだ。
患者さんの高校時代は、江ノ電が通学の足。その江ノ電の車窓から見える浜をよくランニングしたという。
私が「青春そのものですね」と言えば、「今もing、現在進行形です」とピシャリ。
そして治療後、「ここにくると幸せになるんです」とにっこり。
92号 11月13日(日)
孫の手あったらやりたいなっていう感じ
当院のお灸は二種類ある。
ひとつは米粒大のもぐさを皮膚に直接のせて燃やすタイプ。このお灸は燃え尽きる瞬間にピリッという熱さがくる。逆子治療で、足の小指のツボに使う。
もうひとつはカマヤミニという温灸。これは温かさがツボを通し体の芯まで伝わる。
今日もカマヤミニを患者さんの背中におく。むずかゆいという。温かさは体をゆるませ、自律神経にも働きかけ血管をひろげているようだ。
治療が終わって患者さん、「孫の手あったらやりたいなっていう感じ」と笑う。
そして「血が今、動き始めたのかな〜って」
91号 11月6日(日)

スカッとした!
便秘で悩まれている患者さんが来院された。
お話を聞いた。症状は夏ごろからという。病院にはいくつもまわった。処方される薬を飲んでも改善はみられない。不安や心配はたまる一方。薬の副作用なのか、さまざま症状も出ている。
胸の苦しさで行った病院で、「こんなんで来ては困る」とも言われた。
患者さんの背中を診る。肩甲骨の内側には、さまざまな思いがたまっているようだ。治療は、まず背中にハリとお灸。固まりはゆるみ、心地よさそう。
続いて、お腹、手、足にも治療。「スカッとした!」、笑顔で付き添いの奥さんと帰られた。
(写真 モルディブ 9月 Sさん撮影)
90号 10月30日(日)
もだえていました〜
東洋医学で重視される血(けつ)。女性に効く血のツボは、三陰交(内側くるぶし付近)、血海(膝上)、膈ゆ(背中)など。
今日はそのひとつ血海にお灸し、血をととのえる。お灸の種類はカマヤミニという温灸。特徴は、前半はぽかぽかと温かく、後半はぴりぴりした熱さがキューとくる。
患者さんはこのキューに対し、「これがないとやった気にならない」と笑われる。もう、お灸のとりこだ。
先日、お灸をご主人の背中にもされたらしい。「もだえていました〜」と、やはり、とりこに。
(写真 東京都美術館 10月30日)
89号 10月24日(月)
すご〜い、ビックリ。うれしいです
患者さんの友人はエステシャン。サロンを開いているそうだ。
その開業時には、サロンにするマンションをいっしょに見てまわったという。
「湘南台はエステや整体が多いんです」と、隠れ家サロンを数駅ほど先にオープン。
「彼女すごいがんばっているから」と努力が実を結び、今ではお客さんは休みなく来るらしい。
ところで当院は2年前の10月にオープンした。そして開業が同じ頃という仲間意識で、あるエステサロンを当初よりなんとなく気にかけていた。
そこの広告をタウン誌などで見つけるたびに、自分もがんばろうと歩んできた。
ひょっとしたら、患者さんの話されている友人のサロンは、そこかもしれない。
店名を尋ねた。「○○○○ですか?」「あ、○○○○です。知ってるんですか!」見事に一致。
「すご〜い、ビックリ。うれしいです」。私もこの縁にはビックリ、うれしかった。
88号 10月16日(日)
このへんがニヤニヤするんです
「こんにちは〜」と笑顔の来院。
今日は「自律神経のバランスを治したいので」と、次回予約前の臨時受診となった。
患者さんは数日前、TVドラマ『飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ』をビデオ録画で見たという。
主役は大好きなSMAP。実話にもとづいたドラマは胸に深く響いた。
「暗くなったというわけではないんですが・・・」とドラマの中にチューニングされた想いを話された。
患者さんは自分の自然な力による生理を望んでいる。
前回と前々回の治療のこと。「このへんがニヤニヤするんです」と手を骨盤にやり、ニヤニヤは仙骨部のツボ『次りょう』へのハリで感じると説明された。ニヤニヤの元は卵巣かもしれない。
「病院に行くのはイヤだけど、鍼灸院に行くのは楽しみなんです」と今日も最高の笑顔。
87号 10月10日(月)
鍼灸院やってます〜
患者さんは母親に当院をすすめている。しかし、「ハリは怖い怖い」と言うのだそうだ。
なんでも実家のすぐ近くに鍼灸院があり、いつぞや、そこが救急車を呼んだとか。それ以来、ハリは怖いものとイメージされていると聞く。
だが実は、母親には定期的に通うお気に入りの鍼灸院がある。足三里や腎愈、丹田のツボへのお灸とたわしマッサージをやってもらい、いつも気持ち良くなって帰るらしい。
「母が2週間に1回ぐらい遊びに来るんです。お灸をやってやってと言うんです。鍼灸院やってます〜」
親孝行鍼灸院は、患者さんの家でたびたび開業となる。
86号 10月2日(日)
『10ヶ月で治るなんてすごいね』って
電話からうれしそうな様子が伝わってきた。「病院の先生が『10ヶ月で治るなんてすごいね』、って」。
「ありがとうございました」と逆子が治ったお礼をいただいた。
妊娠28週の検診で逆子と言われ、病院の医師からはまず逆子体操をすすめられた。
そしてがんばったが治らない。じゃあ、次はお灸しなさいと再び指導されたそうだ。
渡されたプリントを頼りに、市販のお灸を使って自分で1週間がんばってみたが、赤ちゃんはすでに36週。
当院をネットで探し出してもらえたのはそんなときだった。
逆子の方には、お灸を自分ですえてもらう。
お灸はもぐさを米粒よりも小さい形に作るのだが、慣れないとそんな簡単に手際よくできるものではない。
お灸の作り方をマスターしようと、何度も何度も懸命に練習されていた、わずか4日前の光景を思い出した。
85号 9月25日(日)
なにか感じているんですね
患者さんは、逆子にはお灸が良い、と友人から教わって来院された。
ベットに横になってもらいお灸を始める。ツボは2ヶ所。
そのひとつ、婦人科系に効くことで知られている三陰交へ温灸中、にわかに胎動が活発となった。
「赤ちゃん、激しく動いてます」と驚かれる。
「なにか感じているんですね」
人は太陽に頭を向けるのが自然。お灸で温かいお母さんの足は、お腹にいる赤ちゃんにとって、まさに太陽。
今、赤ちゃんは頭の位置をその太陽に近づけようとがんばっている。
患者さんは、鍼灸はお年寄りのものと思われていたと言う。今度は「肩こりや腰痛で、またお世話になります」と帰られた。
84号 9月19日(月)
また、すごい寝ちゃいました
患者さんは、最近あまりよく眠れないと言う。
ご主人の帰りは仕事でいつも遅い。帰宅を待ちきれず先に就寝するのだが、なかなか寝付かれない。
やはり帰ってくるまで心配だ。無事に「ちゃんと帰ってくるかな」と思うと、頭はどんどん冴えてしまう。
帰宅しても、ご主人が入浴すれば今度は、「お風呂の中では、大丈夫かなあ」と、これもまた心配になる。
東洋医学では人を診て、人を治すのが特徴。赤ちゃんを待ち望まれている方へも、アプローチはもちろん同じ。
女性ホルモンは視床下部、下垂体、卵巣において、分泌の促進と抑制が自然に制御される。
この仕組みは、安定した心身をもって最高の働きをする。
患者さんの背中にタッピング・タッチ。のびやかに安らいでいる温もり感が伝わってくる。
「また、すごい寝ちゃいました」。いま、心身のモードは最高。(写真 丹沢・蓑毛 9月18日)
83号 9月11日(日)
大爆笑する夢を2回も見ました
初診から数日後にいただいたメール。
『その日、大爆笑する夢を2回も見ました。起きても起きても笑いが止まらない感じで・・。こんなことは久しぶり。去年の今頃は怖い夢ばかり見ていました。』
東洋医学理論による体の五臓は、肝・心・脾・肺・腎。患者さんは心(しん)が疲れていた。
「心」は心臓と同じ働きもあるが、むしろ意識や思考の精神活動、すなわち「こころ」の役割のほうが大きい。
そして「こころ」は夢と関係が深い。怖い夢はこころの疲れのあらわれ。お話しをお聞きすると、一年前、それが大きかった。
初めての鍼灸。背中のツボを温めているお灸の香りは、気持ちの良いアロマテラピー。「昔のおばあちゃんの光景を思い出します」
子どものころに、おばあさんがお灸をしていたと懐かしまれる。「においは記憶とつながっていますよね」
小さいころの思い出が「こころ」を暖かく包み込んでくれたようだ。太陽となった「心」は大爆笑の夢をみせてくれた。
82号 9月4日(日)
お腹もすいちゃいました〜
「ツルツルと出てきた感じだったんです」と、患者さんは安産の様子を話された。
出産前日までお灸をされていた。ツボは安産灸としても有名なくるぶし近くの三陰交。出産にはお灸の力が効いたようだ。
今は実家で子育ての真っ最中。「私がニコってすると、赤ちゃんも笑うんです」と母親の幸せに包まれている。
そして初めての子育ては大変。疲れの重さは、朝起きるのがつらいと嘆かれることからも伝わってくる。
背中は肩から腰まで疲労で固まっている。ハリとお灸でほぐし、酸素いっぱいの血液を送り込む。「疲れが流れていく感じです」
久しぶりの鍼灸で体はふんわり。両手を肩に上げ、「ここに持っていたものが落ちた感じです」。顔の表情も本来の(^^♪にリターン。
「お腹もすいちゃいました〜」と笑顔。
81号 8月28日(日)
『凹まないネ〜』
鍼灸を始めて1回目の生理。
「PMSっていうんですかね、胸の張りはなかったし、腰が痛くなることもなかったんです」
さらに生理痛もなく、経血は一気にドーンと出たとも。今回は生理前の症状がひとつもなく、「スーと入って、あっさり終わった感じ」。いつもの「戦闘態勢に入るゾー!」がまったくなかったと驚かれた。
実はこの一月の間、、患者さんの生活習慣に大きな改善があった。水の摂取量を減らされたことだ。たとえば食事中や食後に飲んでいた水をキッパリやめられた。
効果は抜群。あんなにあった手足のむくみが消えた。ご主人が『どれどれ』と指で足を押したそうだ。で、『凹まないネ〜』とびっくり。
むくみは「水の毒だったんだ〜って」と気づかれたそうだ。
東洋医学の考える体は、気・血・水のバランス。水の余り過ぎは水毒。これが気血の動きを悪くする。
水毒は女性の大敵だ。気血と関係の深い生理にも影響しやすい。
80号 8月14日(日)
排卵はこれからのような気がします!
患者さんはタイミング中。先日、予定より早めの高温が気になり、ある病院で卵胞チェックの初診。
基礎体温表を一瞥した医師は『あ、もう排卵おわっているな』、と超音波検査を渋る。
患者さんの強いお願いに押され、重い腰を上げた医師はモニタ画面に向けた人差し指をクルクル回しながら、『卵胞はどこだろうね〜』。真剣な姿勢がひとつも感じられない、おざなりの診療だったらしい。
「排卵はこれからのような気がします!」。体温が上昇したころは風邪気味だったし、いつもの周期日数からも何日も早い。そしてなによりも、排卵時期にいつもある卵巣周辺のシクシク感がまさに今ある、と話される。
これから排卵を向かえることとして治療しましょうと伝えた。患者さんの顔にパッと笑顔がひろがった。
79号 8月7日(日)
お腹をこわしたけど、1日で回復しました
「このまえお腹をこわしたけど、1日で回復しました。今までは、ずーっと続いちゃってたんですが」と、お腹の整い具合は良好のようだ。
患者さんは、胃腸はもともとそんなに丈夫でない。日々の下痢のため、朝の通勤電車ではしばしば途中下車されていた。
漢方薬も服用し、鍼灸を始められてから1ヶ月ほどのある日、お腹の症状が強くなり会社近くの病院へ駆け込まれた。処方された下痢止めの薬を飲んだところ、下痢はおさまった。
それ以来、下痢はきれいにない。薬がお腹の回路の復旧スイッチを入れたかのようだ。
鍼灸は、スイッチの接点に付着していた汚れを落としたぐらいの脇役だったかもしれないが、「鍼灸のおかげです。ありがとうございました」とお礼をいただいた。
前回の治療のあと鎌倉散策に行かれたという。東京周辺で大きな地震があった日だ。そしてやはり、患者さんが自宅に戻れたのは夜の10時。横須賀線が止まってしまい、途中の大船までバスを利用された。
突然のバスの旅。翌日の実家へのお土産となるはずだったゴマ入りの豆菓子一袋は、1時間半の車中、元気になったお腹の中に消えてしまったそうだ。
78号 8月2日(火)
体がシャキっとするんです。不思議ですね
今日はあいにくの台風。ドアを開け雨の様子を見ていたら、患者さんが階段を上がってこられた。
「台風なので会社が早く終わったんです」と悪天候の中を当院へ直行された。
さっそく治療を開始。背中、腰への施術は、仕事疲れの体がリラックスされ気持ち良さそう。次はあお向け。お腹や足に治療しながら、話題はホームページのことに。
「先生、かわいいですよ」ホームページのプロフィールをご覧なられてのことだ。
かわいいと言われ、真っ先に思い浮かべてしまったのは写真。が、それは「BMI値が、省エネのようで」。とのことだった。
患者さんは朝の出勤前、せんねん灸を足三里にすえられている。「体がシャキっとするんです。不思議ですね」と夏バテに負けていない。
翌日いただいたメール。『あの後家に帰ってからも膝下がかなり暖かく、驚きました。効き目を実感しています。ありがとうございます』
(写真 草津白根山(コマクサ) 8月1日)
77号 7月24日(日)
10にしたら、やっぱり、1ぐらいですね
ギックリ腰の患者さん。ちょっとした動作で強い痛みが出る。歩くことも座ることもこわごわ来院された。
治療は患部の腰にハリを数本入れ、証に合わせたツボにもハリとお灸。「すごく軽くなりました。この状態で、すごーく気持ちいいんですよ。起き上がるときも、痛みありませんでしたもん」
発痛物質のプロスタグランジンが除去されたようだ。東洋医学風に言えば、「滞っていた気が流れ始めた」となる。
「痛みのレベルは治療前が10としたら、今はいくつですか?」と効果のほどをたずねた。「10にしたら、やっぱり、1ぐらいですね。ほとんど痛くないですもん」と安堵の笑顔。歩き方もスムースに帰られた。
実は当院、「腰痛の治療」はほとんどない。こちらの患者さんが、今年ようやく一人目。奥様の紹介がなければ、未だに0人のままだった。
76号 7月17日(日)
おしりのほっぺをペンペンするんですよー
患者さんは週末に韓国へ遊びに行かれた。
「肉はしばらくいい」と言うほど焼肉でお腹を満たし、美容と健康の石風呂を体験された。日本から行く女性の大人気スポットらしい。
そこでの話だ。石風呂はともかく、そのあとのマッサージが拍子抜けだったようだ。
マッサージは専用の部屋があるわけではなく、石風呂と同じところで受ける。ベットは湯気がモウモウとしているスペースの片隅に並んでいる。石風呂からベットは直行なので、当然、体にはなにも・・・。そこで待っている人は、ごくごく普通のおばさん。その方がマッサージしてくれる。が、これがまったくツボをえてないようで、マッサージでもなんでもない、とのこと。
患者さんは光景を説明された。おばさんが、「おしりのほっぺをペンペンするんですよー」と笑いをこらえる。「意味あるんですかネ」とおしりペンペンに素朴な疑問。そしてあちらこちらからは、何人もの日本人女性のおしりがたたかれる音が幾重にも鳴り響いていたとか。
ちなみにわたしの場合は、背中のツボをトントンする。これは、大いに意味ある!のだ。
75号 7月10日(日)
自律神経にも鍼灸やるんだあ!
患者さんは自律神経失調症系のブログや掲示板をいろいろ熱心に読まれていた。
「実は『鍼灸が効く』という書き込みが結構のっていたんです」
「鍼灸は肩こり、腰痛というものだけに効くものと思っていたので。自律神経にも鍼灸やるんだあ!って興味を持って」と受診の動機を話された。
自宅近くの鍼灸院をネットで探されたという。「怪しいところも多くて」といたずらぽっく笑う。
そして治療後に質問を受けた。「背中の最後でトントンしたのは、気を送ってるんですか?」
これは、タッピング・タッチという体の緊張をほぐすケアで、気とは無関係。誰にでも簡単にでき、トントンの感じる印象はさまざま。
今日の患者さんは「安心できます」。
74号 7月3日(日)
また通おうと思うのですが
メールが届いた。題名は「また通おうと思うのですが」。差出人を見ると○○さんからだ!
『昨年10月に2度ほど鍼灸でお世話になった、○○○○です。・・・』
長雨だった昨秋、幸運にも秋晴れの日、○○さんは来院された。お話しは症状のほか、新しく移り住んだ土地での慣れない生活の不安。まっすぐな澄んだ眼差しは、今でも心に残っている。
『先生のHPをもう一度じっくりと読み、以前頂いたメールを読み返したり、先生の丁寧な診療や優しさを思い出すうちに、やはりまた野崎先生にお世話になりたいという気持ちが強くなり、こうしてメールしてみました。(あ、おだてではありませんよ〜)』
メールには近況も。『以前より体力がついてきたように思います』、週末の夫婦ウオーキングとお灸で元気にされている。
『天気予報と相談して!? 近いうちに、予約を取りたいと思います。また、どうぞよろしくお願いします。』と結ばれていた。
再びお会いできる日が楽しみだ。「ぜひお越しください!」と返信。
73号 6月26日(日)
ハワイに行くことにしたんです
不妊専門クリニックへの通院をやめられた。「夫婦ゲンカしちゃったんです。主人がタイミングの日を指定されるのはヤダっていうんです。それで・・・」
しかし患者さんの顔は、さほど深刻そうにはみえない。むしろ肩の力が抜けたようなサッパリとした明るさを感じる。
「生理が良くなってきたんです」。ここ何年も生理前後の不正出血に悩んできたが、今周期は生理後の不正出血がほとんどなかった。「何年かぶりだったので、うれしかったです」
このことも通院を考え直す後押しとなったようだ。
そして、「ハワイに行くことにしたんです」とニッコリ。これからは生活を楽しむことに目を向けたいと話された。
ハワイでは『イルカと一緒に泳ごうツアー』と『海ガメと一緒に泳ごうツアー』が待っている。
(写真 弥生台 6月27日)
72号 6月19日(日)
タオルがパリッとしているのに感激しちゃって!
ディスポーザブル(使い捨て)のハリを包装から出していると、治療を待つベット上の患者さんから「タオルがパリッですね」と声が。
当院ではバスタオルをベットシーツ、体掛け、枕などに用いている。
「初めて来たとき、タオルがパリッとしているのに感激しちゃって!」とバスタオルの体感をおっしゃってくれた。
今まで行った「病院や整体ではこうゆうこと、なかったんです」。あるところでは「タオルがジメッとしていて」と、あまり快適とはいえなかったようだ。
「食べ物屋さんは、トイレのきれいさで(その店を)人にすすめるんです」
「湯上りみたい、ほかほかです」。バスタオルを四角にたたまれ、のざき温泉から帰られた。
71号 6月12日(日)
アチアチって言いながら
「教えてもらった腎兪というツボにお灸してあげたんですよ」「アチアチって言いながら受けてました〜」患者さんは愉快そう。
ご主人の疲れが溜まっていると心配されていたので、腰のツボ「腎兪」へのお灸をすすめてあった。ご主人は気持ちよいと喜んでくれたそうだ。
患者さんはもちろん、ご主人からお灸してもらっている。夫婦でお灸コミュニケーション、熱い仲だ。
ところで患者さんの体、足も腰も背中もどこもポカポカ。正体はホットヨガ、いま帰り道だとか。汗は絞り出され、血流が生き生きしているようだ。
一日の仕上げは、鍼灸でホットヨガの疲れ取り??
70号 6月5日(日)
足三里をぐりぐり押しながら
患者さんはご主人と楽しまれた江ノ島ハイクを話された。
お二人は山の上にある神社を通り、奥の磯辺に下りた。
携帯型のコンロでコーヒーを湧かした。海を眺めながらの自家製コーヒーは「少し薄かったんです」、でも「美味しかったです!」
コンロは夏のキャンプの予行練習にと持参したもの。試運転の結果は上々らしい。
そして帰り道は険しい上り坂を一気に登る。足は痛くなり「足三里をぐりぐり押しながら登ったんです」。
あまりにも大変なので、ご主人に「先に行ってもいいよ、って言うんですけど」。実のところ「手はつかんだままなんですがネ」とあま〜い笑顔。
案の定、最後までご主人にしっかりと引っ張り上げてもらったとか。
中田駅の階段、ここはなんとか自分で登られているようだ。
69号 5月29日(日)
小鳥が歩いているような
患者さんは2ヶ月ぶりの来院。この間、仕事をやめ結婚された。
最近、せんねん灸のタイプを変えられたという。「レギュラーは熱く、ソフトがちょうどいい」と。
にんにく灸もOKだったほどの温度覚レベルは、静かに下がったようだ。
これはストレスと真っ向勝負してきた交感神経の落ち着きを意味する。
顔の表情の変化からもわかる。戦いモードのきつさは消えており、今はあたたかな丸さを感じる。
治療では背中へ指をポンポン。「小鳥が歩いているような」と感想。「途中から寝ていました」。
68号 5月22日(日)
奇跡が起きた!!
あるブログで、なんと私の治療風景を発見。
足の小指「至陰」と内側くるぶしの上「三陰交」にお灸をしている、何枚もの大きな写真がドカーンと目に入ってきた。以前来院された妊婦さんへの逆子治療の様子だ。
当日は、ご主人が愛用のカメラでシャッターをいっぱい押されていた。そして今、その写真に偶然遭遇しビックリ!
ご主人が書かれた文章には、私との会話もこと細かにしるされており、嬉しいやら照れるやらで汗をかく始末。
日付を追いながら先を拝見していったら、もう一度大ビックリ!
『39週にして逆子が治りました(^0^)/』という一文に目が釘付け。奥様のブログにも、『奇跡が起きた!!』と驚きの声が記されていた。1週間後には、赤ちゃんは無事安産で誕生されていた。
逆子治療は34週のとき。今回お灸のダイレクトな効果はなんともいえないが、赤ちゃんに回転してもらえたことは喜ばしい。
ひとが本来もっている自然の力はやはりすごい。
自分の力(赤ちゃんの力も)を信じれば、最後には奇跡が起きることを教えさせていただいた。
67号 5月15日(日)
トリカブト!
「いま飲まれているのは、当帰芍薬散加・・・」と私。
患者さんはすかさず「トリカブト!」。と言い残し、足取り軽く漢方外来に向かった。
その晩メールをいただいた。病院の漢方報告だ。
『今日もお世話になりました。○○です。二回目の漢方に行って来ました。 ・・・・・ 今回の薬は、前回と同じ「当帰芍薬散加附子」と「ツムラ芍薬甘草湯エキス」でした。』
そう自然派の漢方は、毒で有名なトリカブトを「附子」という生薬に変身させている。
この附子は体を温め止痛をはかる作用をもつ。当帰芍薬散加附子は、女性で有名な当帰芍薬散のターボバージョンというところか。
○○さん、鍼灸と漢方の東洋医学ツアーの一日、お疲れさまでした!
66号 5月1日(日)
ウン、手のにおいも感じる
患者さんに鼻の調子をおたずねした。
「調子よくなりまして、また春の息吹をくんくんやりながら、今週1週間は良かったですネー」とはずんだ声が返ってきた。
まだ1ヶ月ほどの治療だが、嗅覚は回復しつつあるようだ。
患者さんは臭いがわからなくなって1年。耳鼻咽喉科にもしばらく通院したが効果なし。当院へは鍼灸がいいかも知れないと思われ治療に来られた。
いまのところ「1週間ずつ良くなったり悪くなったり」という状態だが、見通しは明るそう。
料理は「楽しいですね、においが嗅げると」と、本当にうれしそう。鼻を手の甲に近づけられ「ウン、手のにおいも感じる」と笑顔。(写真 皇居東御苑 4月30日)
65号 4月24日(日)
『いいところを見つけたよー』
ひと全体の治療をおこなう東洋医学は独特の診察方法をとる。問診では症状のほかに、生理や生活習慣などもお話ししてもらう。
脈の状態をみる脈診、舌を観察する舌診(ぜっしん)、お腹の硬さや圧痛を調べる腹診(ふくしん)も欠かせない。
これらで体質や体調のサインをキャッチするわけだ。
さて患者さん、先週の初診時には舌の先端がほかと比べ赤かった。それはこころの疲れをあらわしている。きょうの舌先には赤みがほとんど見られない。
『いいところを見つけたよー』、『よかったなあ』と初診の晩のご主人との会話を喜ばしそうに話された。
患者さんはご主人から暖かな応援をもらった。(写真 横浜スタジアムの公園 ひろさん撮影)
64号 4月17日(日)
気持ちが楽〜
大きなあくびをひとつ。「リラックスすると眠くなりますね」と治療ベットから起き上がりながら笑顔の患者さん。
鍼灸のひとときを、「家のことを忘れられるのでいいんです」。
自律神経の優位度は、交感神経から副交感神経のほうへ完全にチェンジしている。
鍼灸は体表に出る痛みを取ることは当然だが、その後ろにある精神面を安定させる力もある。結果、気滞が改善され、「血」や「水」の流れもよくなる。
患者さんの頬はふっくら感が増してきた。「気持ちが楽〜」と晴ればれ。
63号 4月11日(月)
つながっているんだね〜
冷えは女性にとって大きな悩みのひとつ。患者さんは背中の冷えがつらい。冬の間、どうしてもホカロンを手ばなされない。きょうも治療では背中の温灸。「背中があたたかい」と気持ち良さそうに目をうっとり。
患者さんは自宅でもすでに一年以上、毎日のように足三里のせんねん灸を続けられている。その効果もあり胃腸の働きがよく、ひところと比べて体力もついた。「私にはお灸が合っているみたい」。ツボと内臓は「つながっているんだね〜」と不思議そう。(写真 こども自然公園 4月10日)
62号 4月3日(日)
来れなくなっちゃうのは寂しい気がします
鍼灸には人と人との交流がある。
わたしが一時期住んでいた街は患者さんの生まれ育ったふるさとだった。そこはたくさんの花や木が目を楽しませてくれる自然豊かな美しい街だ。
今日は背中へタッピング・タッチを加えた。「包まれるような感じです」。すべての治療が終わり「気持ちよかったです」と心よりの言葉。さらに胸に響く最高のプレゼントも。「来れなくなっちゃうのは寂しい気がします」。鍼灸が少しでも役に立てたかと思うと本当にうれしい。
治療の1ヶ月は、また楽しい交流でもあった。いま患者さんの表情は明るく輝いている。喜びをむかえる土台はしっかりできあがったようだ。
患者さんはふるさとの桜を見たあと、海外へ出発される。
61号 3月27日(日)
先生気分でした〜
ここは患者さん行きつけの美容院。
患者さんと女性美容師さんの二人は、おしゃべりで盛り上がっていた。「鍼灸院に半年ほど通っています」 「何か改善できました?」 「足の冷たいのがなくなったしー、生理痛は今回はあったけど、生理は順調だしー」などと、話題はもっぱら鍼灸と生理。
そのとき横から突然、「ツボ教えてもらえますか?」と、別のお客さんが身を乗り出してきた。やはり生理に悩みがあったらしい。患者さんは、「えー!、そんなに私くわしくないんですけど〜」とびっくりしながらも、さっそく「くるぶしから指4本上にあがって」と三陰交をレクチャー。
ほかの美容師さんまでが「私も生理痛があって」と集まってきた。みんなで三陰交はここらへんとか言い合いながら、しまいには店内中がツボ談義で大盛り上がり。
患者さん、「先生気分でした〜」とちょっぴりご満悦。
60号 3月21日(月)
足をバタバタッて動かすんです
シュロのタワシで足の裏をマッサージ。「赤ちゃんが動いています」とにこにこ笑顔がこぼれる。お腹にはまもなく8ヶ月の赤ちゃんがいる。タワシの気持ちよさが赤ちゃんにも伝わっているようだ。
3月は卒業式のシーズン。患者さんも今日、のざき鍼灸院を卒業された。母親用の愛情貯金はたっぷりだ。
はじめて来院された日、妊娠の喜びを報告された日、それらが昨日のように思える。小さな命を育んでいる大きなお腹。「足をバタバタッて動かすんです」。赤ちゃんとの交信ぶりをいつもうれしそうに話されてきた。
患者さんと共有させていただいた時間は、わたしの大切な財産だ。Iさん、元気な赤ちゃんを産んでくださいね〜!
59号 3月13日(日)
ごはんが美味しく、食べちゃうんですよ
患者さんはウオーキングが大好き。2時間、3時間はへチャラ。だからといってガムシャラに歩くだけではない。途中、お茶タイムのお店をみつける楽しみも忘れない。道に咲く花、木々の小鳥と出会いながら、春をのびのび歩かれている。
家にもどるとたいそうお腹がすくそうで、「結構パクパクと食べるんですよ。ついつい、ごはんが美味しく、食べちゃうんですよ」
どうりで、患者さんの顔はふっくらと健康そのもの。そのことを伝えると、「こないだも誰かに言われたんですよ。『○○さん顔丸くなったんじゃない』かって」。ニコニコの表情もすてきだ。充実感が伝わってくる。
58号 3月6日(日)

なんかね、ここに来ると足が温まるの
「きょうは右の肩がこってるの」で、まずはそこへ温灸。ほんのり発赤。血流は拡がった毛細血管を通りだし、緊張してた筋はじわじわ緩んでいく。
からだ全体も整える。はりを背中や腰のツボに。深さは数ミリ程度と浅め。婦人科系によいとされる腰のツボには温灸。シュロのタワシを使い、脊柱の自律神経の安定化をはかる。お腹、足のツボにもはりと温灸だ。
ひととおりの治療が済んだ。患者さんの足先はポカポカと温かい。「なんかね、ここに来ると足が温まるの」
「リラックスできましたー」。体づくりは、「気長に、気長に」と。
「じゃ、失礼しまーす」。患者さんは笑顔で帰られた。(写真 こども自然公園 3月7日)
57号 2月27日(日)
背中のガリガリが気持ちいい〜!
ご夫婦で来院された。2台のベットを同時に使い、お二人に治療。ご主人は今日はじめての鍼灸体験。腰をひねると走る「ピキッー」という痛みが悩みの種といわれる。臀部と腰へハリとお灸で血流の改善。背中の仕上げで、「背中のガリガリが気持ちいい〜!」と感想を。このガリガリの正体は、ハリでもお灸でもなく、タワシ。
タワシで皮膚をマッサージすると実に気持ちよい。なぜだろう。
胎児の発生過程から見てみよう。受精3週目に入ると胚盤は外胚葉、中胚葉、内胚葉の3層構造となる。赤ちゃんの土台は、この3つの胚葉から作られる。タワシにマッサージされる皮膚も、気持ちよいと感じる脳も、発生元は同じ外胚葉。皮膚と脳は兄弟みたいな存在だ。
スキンシップという形の交流をおこなうと、心地よさ、暖かさ、安心感、懐かしさを感じ、こころは和む。ふれあいは、遠い昔の母親のお腹にいたころの記憶を呼び起こしてくれるのだろうか。
奥様からのメール、『先日は夫婦で診ていただきありがとうございました』と、お礼を添えていただいた。
56号 2月20日(日)
あの後すごくお腹空いて、食べられるようになりました
東洋医学の考え方は、陰陽とともに五行(ごぎょう)が基本。自然も人も万物すべてを5つに分ける。たとえば、季節は春・夏・長夏・秋・冬、色は青・赤・黄・白・黒、五臓は肝・心・脾・肺・腎、というふうに。
五行は絶妙なバランス理論でも有名。体の肝・心・脾・肺・腎、これらはそれぞれが単独に機能しているわけでなく、理論にそってきちんとネットワーク化されている。
患者さんの主訴は肩こり。肩や背中を軽く押すだけで痛がれるほど、気と血は滞っている。どうも気血と関係の深い肝に疲れが見られる。ネットワークは障害発生中だ。
五行理論によると、肝の不調は脾(胃腸)に悪さする。やはり、食事によってお腹が痛くなったり重くなったりする症状もある、と初診時に話されている。
今日、「あの後すごくお腹空いて、食べられるようになりました」とは、この10日間ほどの胃腸の調子。これまで「痛くて食べられなかった」朝食の量が増したことを喜ばれた。
肝の伸びやかさが気血を巡らせ、脾(胃腸)も活発に。五臓のネットワークは復旧し出した。
55号 2月13日(日)
生理の周期がもどったんです
女性に効く有名なツボ、三陰交(さんいんこう)、血海(けっかい)、次りょう(じりょう)。生理痛、生理不順、不妊などの治療ではよく使う。また体からのサインも現れるところ。
患者さんの生理周期は37〜38日と平均より遅い。この周期、5年ほど前から遅くなったという。もとの周期にもどることを希望され、初診を受けられた。膝の上にある血海を押すと、ひどく痛がれた。
そして2回目の今日、「生理の周期がもどったんです」とびっくり報告。いつもある鈍痛などの予兆はまったく何もなく、生理はいきなりドカーンと来た。あわてて周期を数えてみたら30日だった、とそのときの様子を話される。「こんなに早くもどっちゃうなんて」と驚きながらも嬉しそうな笑顔が。患者さんは毎日、家で熱心にお灸されていた。その効果に違いない。体からのサイン、血海の圧痛はなくなっている。
オマケもついた。「腰痛も治りました」、と患者さんは笑う。なんでも、腰の痛いところにもお灸を毎日。数日後、痛みはピタッと消えたという。正にツボにハマったようだ。
実は、初診時には腰痛治療もしていた。が、効き目のほどは・・・。
54号 2月6日(日)
生き返ったようです
患者さんは数日前まで、吐き気、乳房の張り、腰痛、下腹部痛などと、PMSの症状があった。加えて看病の疲れも残っている。腰の重い感じが取れればと、カイロで温めたり、せんねん灸もしたという。だが、効き目はいまひとつだったとか。
今日の治療、ニューフェースのお灸を登場させた。もぐさを炭化させたタイプで、いわば炭を燃やす感じ。首の付け根にすえ、温感の気持ちよさと血流の改善を期待。そして腰とお腹にはもぐさを燃やす従来タイプのお灸。
この2タイプ、同じお灸でも熱の伝わり方が全然違う。首のお灸は「じんわり派」で、腰やお腹のお灸は「キュー派」とは、患者さんの感想。
じんわり+キューの2派連合で、「腰はびっくりするほど軽い、なんででしょう」。「一発でなおる感じですね」「生き返ったようです」と足取り軽く帰られた。
53号 1月30日(日)
日本では、ありがとうございました
何年間ぶりのお正月をふるさとで迎えられた患者さん。ドイツからお礼のメールが届いた。
「日本では、ありがとうございました。先生の治療とお話で、大変元気付けられました。特に、時間をかけて話を聞いて頂いた事で、大変、心が安らぎました」
ドイツは寒い日の毎日、いま春を待つカーニバルの仮装の衣装が店に出てきている、という。
「かくいう私は、先生のサイトで和ませて頂いています。うまく説明できないのですが、先生のサイトを見ると、ホンワカとした気分になれます。一人だけじゃないんだ・・・というか、まだまだアセらなくても大丈夫・・・というか、近くにある幸せを大切にしよう・・・というか、そんな気分になります」
冬のつぎは春。患者さんの言葉で、わたしの心は一足早くあたたかな春に包まれた。
52号 1月23日(日)
こっちも、こっちも、楽に
患者さんは歯医者経由で来院。まだ奥歯には痛みが残っているそうだ。坐骨神経痛による足の痛みも気になるという。
今日はいつもの治療に加え、歯の痛みと坐骨神経痛の治療もプラス。鍼灸は便利、オプション追加が自在だ。歯の痛みには、手の合谷と足三里のツボが効く。坐骨神経痛には腰椎周辺のツボを使う。
治療が終わり、「こっちも、こっちも、楽に」と、患者さんは笑顔でほおと足に手を当てられた。
帰り際「芽が出ていますね」と、やさしい眼差しを子宝草へ。春には葉が大きくなりそうだ。「楽しみですね〜」と目を細められた。
51号 1月16日(日)
生理が来たんですよ!
「もぐさカイロ買ったんです。温かいですねー」、体の産む熱を利用したもぐさの自然パワー。
「生姜灸もやってます」。薄くスライスした生姜の上で、もぐさを燃やす温かいお灸だ。これも自然パワー。漢方専門医院の漢方薬も愛用されている。体にやさしい、オール自然パワー。
そして、にっこりと「生理が来たんですよ! 半年ぶり以上です」
ゆるやかな自然の力が生理を起こしてくれた。患者さんの体が整ってきた知らせだ。
50号 1月10日(月)
さっきと全然違う〜!
患者さんは会社員。勤め帰りに自宅駅を通過し足を運ばれた。
「今日は背中が少し痛いんです。これも合わせて治療お願いします」。仕事はデスクワーク。イスに座った姿勢が一日続く。その分、血流は悪くなり疲労物質が溜まる。家では家事をこなし、フル回転で毎日がんばっている。
なるほど背中の左側が硬く張っていてつらそう。押すと「イタ気持ちいい」。ハリと温灸で治療。酸素いっぱいの血流がどんどん集まってきた。疲労物質や老廃物は血液に戻される。気血のコンディション回復作業だ。もう一度、同じ場所を押圧。痛みの度合いが「さっきと全然違う〜!、すご〜い」と患者さん。
気血が滞ると痛み、気血が巡れば痛まない。東洋医学の考え方だ。


週刊ひとこと 2005年版
連載 心からうれしい患者さんのひとこと
発行日 たぶん毎週日曜日ごろ ひとことの場所 のざき鍼灸院の治療室
創刊日:2004年1月11日